太平洋「サバ類」漁獲枠7~8割減を検討 資源量悪化で 水産庁

 天然のサバ類が資源量悪化で漁獲制限がかかるようです。

参照記事
 https://news.yahoo.co.jp/articles/efa9538b1b90a840dae3af7d8b0c1f456f9884c6


 公開されている日本周辺のサバ類の漁獲量のデータでは、例えば、マサバ(太平洋系群)の漁獲量は、1978年に約120.7万トンのピークを迎えた後、1990~1991年には約3万トンまで減少し、その後増減を繰り返し、2022年には約9.5万トンとなっています。

 技術の開発により、サバは完全養殖技術の確立により、陸上養殖も可能になりつつあります。

 それに伴い飼料中の魚粉の増加も想定されます。
 魚粉価格も高止まりしており、虫粉のニーズが高まると想定されます。

1. サバの陸上養殖の特徴

✅ メリット

  1. 環境負荷が少ない
    • 陸上養殖では、海の汚染や赤潮の影響を受けずに安定した生産が可能。
    • 養殖場周囲の生態系への影響が少ない。
  2. 安定供給が可能
    • 天候や自然環境の影響を受けにくいため、漁獲量の変動が少ない。
    • 年間を通じて計画的に出荷できる。
  3. 病気リスクの管理がしやすい
    • 海洋養殖に比べて寄生虫や病気のリスクを低減できる。
    • ワクチンや水質管理で健康な個体を育成可能。
  4. 高品質なサバが育つ
    • えさの管理がしやすいため、脂の乗りや味の調整が可能。
    • 金属臭や臭みが少なく、刺身で食べられるほど鮮度が良い。
  5. 脱炭素・持続可能性
    • 天然資源への依存を減らし、持続可能な漁業の一環として期待される。

2. 日本における陸上養殖の事例

① 「完全養殖サバ」の開発(近畿大学)

  • 近畿大学は、完全養殖のマサバ「近大マサバ」を開発。
  • 従来は天然の稚魚を育てていたが、卵から育成する技術が確立された。
  • 現在、飲食店やスーパーでも流通しており、生食できるほど鮮度が高い。

② 陸上養殖ブランド「湧昇サバ」(愛媛県)

  • 愛媛県で、地下海水を利用した養殖が進められている。
  • クリーンな環境で育てられ、寄生虫リスクが少ないため、生食が可能。

③ 「富士山サーモン&サバ」(静岡県)

  • 富士山の湧水を利用した陸上養殖。
  • 養殖サバ特有の臭みが少なく、脂の乗りが良い。

日本特殊陶業、えびの養殖事業の新会社「Niterra AQUA」設立 「うるみえび」で国産えびのブランド展開

 エビの養殖管理システムを製造販売する会社が設立されました。
「場所」を用意できれば短時間で事業化が可能です。

 センサーなどを組み合わせて養殖作業指示も行えるようです。

 異業種からの参入としては需要もおおいエビやサーモンの陸上養殖が多いようですね

https://niterra-aqua.com/lp/

エビを陸上養殖 異業種で収益確保 精密部品製造のエムテック 茨城・ひたちなか

 干し芋を作る過程で廃棄される残渣を活用してエビを陸上養殖する試みです。
異業種の参入が続いていますが、閉鎖循環式養殖技術の進歩ですね。
病気の管理もやりやすいですし、寄生虫の心配もありません。
 面白い試みです

https://news.yahoo.co.jp/articles/bf36c0c3c2af550df1a8cad4e5bfd2bf24d57a3e

精密部品製造のエムテック(茨城県ひたちなか市津田東、松木徹社長)が、エビの陸上養殖に乗り出す。製造業は資材価格の高騰などで厳しい経営環境にあり、異業種に新たな収益確保の道を見いだした。10月からの本格操業を目指す。養殖エビは「はるか海老」と名付け、同市のブランドエビとして地元の活性化やPRにも貢献したい考えだ。

同社は資材価格や人件費の高騰に加え、少子高齢化などによる今後の製造業界の市場規模縮小などを見据え、新規事業を検討。松木社長が趣味としているニシキゴイの飼育をヒントに、陸上養殖に取り組む。

陸上養殖は全国で異業種が相次いで参入し、規模は拡大している。同社は水槽の水をろ過して再利用する「閉鎖循環式」で養殖。排水が少ないため環境に優しく、魚の病気や寄生虫などが入るリスクも低くて安全性が高い利点がある。

養殖しているのはシロアシエビで、同社敷地内の倉庫内に幅3メートル、奥行き2メートル、深さ75センチのプールにろ過槽を付けた計3セットで、水温や水質、餌を与えた時間や量などを管理しながら試験的に育てている。

国内でふ化した1センチほどの稚エビ計約4000尾を昨年9月から3回に分けて養殖。同月から育てたエビは、体長15センチほどに成長した。

餌には干し芋を生産販売する同市の事業者から、干し芋を作る際に廃棄されるサツマイモの皮や皮に付いた実などの残渣(ざんさ)を活用。公的研究施設の調査で、通常のシロアシエビより甘みが強い結果が出たという。

松木社長は「残渣を資源として利用することでSDGs(持続可能な開発目標)の実現につながる」と強調する。

養殖エビは干し芋の原料のサツマイモ品種「紅はるか」を基にして「はるか海老」と名付け、ロゴマークも製作。6月25日に商標登録を出願した。

同社は、10月から本格的な養殖を始めるため、敷地内に新たな養殖専用倉庫を建設中で、月1万尾の出荷を目指す。今後、社内の体制構築やエビの販路開拓などを進める方針。

松木社長は「市特産の干し芋で育った、市ならではのおいしいエビを提供したい」と意気込む。

JR四国 サーモン養殖事業に参入へ 鉄道赤字で事業を多角化

 最近では事業の多角化と廃棄していた熱源などを使って魚の陸上養殖に挑戦する企業様が増えています。
 魚種としてはサーモンが多いようですね。
 太平洋サーモンが一般的ですが、キングサーモンに挑戦する企業様も増えています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20240806/8020020917.html

 JR四国は、鉄道事業で大幅な赤字が続く中、新たな収益源のひとつにしようと、サーモンの養殖事業に参入することになりました。
 JR四国によりますと、熊本県で陸上養殖などを行う会社と連携して、この会社の敷地内に自社の水槽を設置し、8月から試行的にキングサーモンの養殖を始めるということです。
 水槽の管理などはこの会社に委託する一方、現地を繰り返し訪問して水質や水温の管理など、陸上養殖のノウハウを学ぶことにしていて、年内には初めての収穫を行い、年間で6トンから8トン程度の出荷を目指すとしています。
 また、それと並行して養殖に適した場所を探した上で、今年度中には四国でも陸上養殖を始めたいとしていて、2030年ごろまでに1億円以上の売り上げを目指すとしています。
 JR四国は、鉄道事業で大幅な赤字が続く中、事業の多角化を進めています。

 陸上養殖事業は会社の内外から募集した新規事業のアイデアをもとに調査を進める中でいきついたということで、第一次産業に参入するのは初めてです。
 四之宮社長は、「人の流れで左右される既存事業とは異なる新事業のチャレンジとして、四国で安全でおいしいブランドサーモンを作り、全国や世界に広げたい」と話していました。