アクアハイポニクスってご存じですか?
魚の排泄物を発酵させた液体肥料で野菜を栽培し、養分が少なくなった水で魚を養殖する水循環型の農法です。
魚と野菜が同じ環境で栽培・養殖できるので空間利用率が非常に高く、野菜の肥料も不要で経済効率も高いのが特徴です。
養殖する魚としては、チョウザメ、ティラピア、ナマズ、ドジョウ、マスなど多岐にわたります。
一部ではヒラメの養殖も個々見られているようです。
ここでも安価な魚の飼料が必要で、昆虫タンパク質の有用性が注目されるかもしれません。

飼料用タンパク質としての昆虫養殖の勉強をしています
アクアハイポニクスってご存じですか?
魚の排泄物を発酵させた液体肥料で野菜を栽培し、養分が少なくなった水で魚を養殖する水循環型の農法です。
魚と野菜が同じ環境で栽培・養殖できるので空間利用率が非常に高く、野菜の肥料も不要で経済効率も高いのが特徴です。
養殖する魚としては、チョウザメ、ティラピア、ナマズ、ドジョウ、マスなど多岐にわたります。
一部ではヒラメの養殖も個々見られているようです。
ここでも安価な魚の飼料が必要で、昆虫タンパク質の有用性が注目されるかもしれません。
パンガシウス(学名:Pangasianodon hypophthalmus)は、メコン川原産の淡水ナマズの一種で、ベトナムを中心に大規模な養殖が行われています。その食性は雑食性で、野生下では小魚、水生昆虫、植物の残骸などを食べます。養殖においては、主に植物性の飼料が用いられ、魚粉の使用量は比較的少ないことが特徴です。
低価格と高タンパク低脂質という栄養価の高さから、加工食品や外食産業で幅広く利用され、経済的なメリットが大きい魚種です。日本への輸入量も増加傾向にあります。
近年、世界的なタンパク質需要の高まりと環境負荷への懸念から、持続可能な食料生産の重要性が増しています。その中で、安価で成長が早く、骨や臭みが少ないことから「白身魚の優等生」として注目されるパンガシウスの養殖と、その飼料における新たな選択肢としてのアメリカミズアブが注目を集めています。
日本ではくら寿司さまがネタとして提供していますので、是非食べてみてください
最近では飼料用の昆虫養殖が盛んになっています。
サーモンの陸上養殖に進出する企業が増えており、それに伴い飼料としての魚粉の消費や価格が製造コストを押し上げていることが原因と思われます。
今回は福井大学の方がベンチャーを作られたようです。
ミルワームの養殖に取り組まれるようです。
試算によると環境が整えば魚粉の8割の価格で製造できるとのことですので、養殖業の方のお力になりそうですね。
以下引用--------------
サーモンの養殖で飼料に使う魚粉が高騰する中、大学生が注目したのは虫の幼虫です。栄養価が高くナッツのような香りも楽しめるサーモンの新ブランド立ち上げに向け、新たな飼料を開発し、試験養殖を始めます。
県立大学4年生の村上裕哉さんが今年1月に立ち上げたベンチャー企業「sa‐mo(サーモ)」。淡水養殖場で育てるサーモンの飼料を製造・販売する企業です。
サーモンの養殖で主に用いられるのは魚粉を原料とする飼料ですが、その価格は15年前と比べ、およそ2.4倍に高騰しています。
そこで村上さんが注目したのが…。 ■県立大学4年生 村上裕哉さん 「僕たちが使う餌は”ミルワーム”と言われる虫になります。
これを粉末にして、養殖場で使われている魚粉の代わりに使う。脂の成分がナッツに近い成分を含んでいるので、似たような脂が魚の青臭さを消してくれる」
ミルワームは、魚粉に匹敵するほど高たんぱくで栄養価が高く、飼料に加工する仕組みが整えば、魚粉のおよそ8割の価格で製造できるということです。
村上さんは4月から勝山市の養殖場で、この飼料を使ったサーモンの試験飼育を始めることにしていて、2年後を目標に、生ハムなどの加工に適したサーモンの新ブランドの立ち上げを目指します。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9c9e57ab4c2998138b4d744d24ca9515b79efaa1
国立研究法人 水産研究・教育機構が「昆虫餌で育てた魚の味は??」というイベントを開催されました。
令和7年2月1日-2日にかけて葛西臨海水族館で行われたようです。
イベントの内容はトークイベントと「アメリカミズアブで育てたマダイの唐揚げの試食会」だったようです。
美味しい唐揚げだったようですね。
天然のサバ類が資源量悪化で漁獲制限がかかるようです。
参照記事
https://news.yahoo.co.jp/articles/efa9538b1b90a840dae3af7d8b0c1f456f9884c6
公開されている日本周辺のサバ類の漁獲量のデータでは、例えば、マサバ(太平洋系群)の漁獲量は、1978年に約120.7万トンのピークを迎えた後、1990~1991年には約3万トンまで減少し、その後増減を繰り返し、2022年には約9.5万トンとなっています。
技術の開発により、サバは完全養殖技術の確立により、陸上養殖も可能になりつつあります。
それに伴い飼料中の魚粉の増加も想定されます。
魚粉価格も高止まりしており、虫粉のニーズが高まると想定されます。
名古屋市に本社を置く『東邦ガス』がサーモンの養殖に参入されています。
LPGを気化させるとき使用した2-4℃の海水を利用しています。
今年は60tの出荷を見込んでいます。
ちなみに60tのサーモンを養殖するには1.2倍程度の72tの飼料が必要となります。
飼料の45-50%は魚粉ですので32.5-36tとなります。
そのうち半分を虫粉に置き換えるには約16-18t必要となります。
月あたりにすると乾燥虫粉1.5t程度になるかと思います。
インドネシアの事例では1tの食物残渣から45kgの乾燥幼虫が捕れるようですので、毎月1.5tの乾燥虫粉を利用するには、33t程度の食物残渣が必要となります。
1日約1tぐらいの有機廃棄物を再利用することが出来ますね。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dabfa92d3596515a651813cd85a879a9f34150c3?page=1
大阪府立環境農林水産総合研究所が2023年2月28日に「ミズアブの食品および飼料原料としての利用における安全確保のための生産ガイドライン(ミズアブ生産ガイドライン)」を発表しています。
その中に「人に対する食品と、家畜や養魚に対する飼料の両方に適した製品を提供すること」と文言があります。
人間の食料と家畜の飼料のいずれにも適した商品を製造するのが理想的ではありますが、幼虫のエサの選定や生産環境などなかなか難しい面もあります。
もちろん費用をかければそれも可能だとは思いますが、人食に適さない有機物(水草、残飯、傷んだおからやジュースの絞りかすなど)をエサとして飼育した幼虫を人が食べるのに適しているかは判断が難しいと思います。
まずは飼料としての基準を満たした幼虫の生産技術の確立を目指すのが安定した供給にはよいと考えます。
また、魚粉の代わりとして活用するのであれば、農業用肥料としての用途も広がります。
ヨーロッパでは昆虫食用の幼虫と飼料用の生産ラインが建物から分けられており、生産管理も大きく異なっている企業もあるようです。
中国の養鶏場では年間100t出る鶏糞を公害対策としてミズアブの幼虫のエサとして与え、生産されたミズアブは養鶏の飼料として活用されている事例もあります。
それぞれの用途に適した工程で生産し、管理をするのが良いと考えています。
令和5年(2023年)2月28日 昆虫ビジネス研究開発プラットフォーム
九州電力を中心に複数の会社がサーモンの陸上養殖に取り組んでいます。
九州電力の豊前発電所の敷地内に年間300tクラスの設備をつくり、今後は3000tクラスの設備を作る予定のようです。
養殖魚の飼料の40-50%は魚粉が配合されています。
先の投稿にも書きましたが、近年魚粉価格が高騰している理由として、養殖業が盛んになっていることも上げられます。
魚粉の一部を昆虫タンパクに置き換えた飼料は20%程度安価に提供できるとの試算もあります。
養殖業が盛んになればよりエサも必要となるので、益々昆虫養殖への注目が集まると考えられます。
ミルワームの粉を魚粉と置き換えて養殖した鯛です。
以前、クラウドファンディングで支援させていただき、到着したのでご報告です。
冷凍で届きましたので、お刺身にするには少し柔らかかったですが、肉厚で甘みも強くとても美味しかったです。
少なくとも飼料に昆虫を混ぜているからと行って味が落ちることは無いようです。
機会があれば冷凍では無く、生のお魚をいただきたいと思いました。
近畿大学がニホンウナギの完全養殖に成功したそうです。
現在では大規模な養殖は難しく、稚魚を捕獲して養殖した場合と比べて費用面では10倍近くかかるようです。
ですが、今後の研究次第では、低価格に提供されるかもしれません。
そこで養殖用の飼料のお話になります。
ウナギの養殖飼料は50%程度が祖タンパクとなっています。
愛媛大学の研究によると、昆虫タンパクには魚類の免疫を高める性質もあるようなので、成長の難しいウナギの養殖にも役に立つかもしれません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/316fe595b12f7ad907b929ec1c377749bd994da4?page=1