海水魚の配合飼料のお話し

 原材料の魚粉を昆虫粉に置き換えることで、魚粉の使用量が削減できます。
東南アジアなどでは淡水魚や養鶏用の飼料を置き換えることが進んでいます。
日本では海水魚の養殖が盛んで、真鯛やぶりなどの飼料として昆虫粉を使うという課題があります。

「国立研究開発法人 水産研究・教育機構」の研究では真鯛に与える配合飼料中の魚粉の5割を昆虫粉に置き換えても従来のエサとの生育が変わらないという研究があります。
 またぶりでも同様の結果が出ているようです。
ですが8割を置き換えた場合は真鯛の生育が遅くなると言うデータもあるようです。
 どの程度の配合比率が最適化は魚種ごとに異なると思われますし、さらなる研究が必要と思われます。
 日本の年間の魚粉の使用量は40万トン、輸入量は24万トンと推定されており、昆虫粉を国産でまかなえれば魚粉の輸入量は大きく減らせると考えられます。

https://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr2022/20221004/20221004press.pdf

日本の魚粉の消費量

にぼし粉

 製造過程で魚油を圧搾することもありますが、魚粉は乾燥させた魚を粉砕して粉にしたものです。
 用途としては、養鶏用の畜産飼料、魚類の養殖飼料、農業用肥料として用いられることが多いようです。
 一般財団法人日本水産油脂協会の令和元年の報告書によると2019年の国内魚粉生産量は188,524tで輸入量は213,288tでした。
 合計すると約40万t(401,812t)となります。
 2016年では36,5万tの消費量で世界の約8%を消費している計算となっています。

2017年では約18万t(180,963t)が飼料として使われています。
 内訳は62%が魚類の養殖飼料、養鶏の畜産飼料22%、養豚の畜産飼料15%にとなっているます。

 

令和元年度事業報告書
http://suisan.or.jp/html/file/r01report.pdf