養殖の魚も「昆虫食」、愛媛大らが昆虫飼育工場を建設へ

以前にも紹介した、愛媛大学とDNPの昆虫養殖の取り組みが再度紹介されています。

クラウドファンディングで募集されている昆虫飼料で養殖された鯛についても記事に記載されています。
少しずつですが、飼料用の昆虫養殖が認知され始めているのかもしれません。

以下引用

愛媛大学は、以前から昆虫を使った養殖魚用餌の開発を行ってきた。昆虫を1割混ぜた餌で8000匹のマダイを飼育する大規模実験では、従来の餌よりも成長速度が速く、病気になりにくく、味も遜色ないことが確認され、今年春にはそのマダイの販売も始まった。 気候変動や乱獲により天然魚の漁獲量が減ったこの20年ほどで魚の養殖の需要が世界で激増したが、そこで問題になっているのが餌だ。じつは養殖魚の餌はおもにカタクチイワシの魚粉が使われている。結局は天然資源に依存していることに変わりがない。さらにその魚粉は輸入に頼っていて、価格は20年前の4倍程度に高騰したという。これがイワシの乱獲を招く心配もある。そこで魚粉を使わないサステナブルな餌の開発が各方面で行われている。そのひとつが昆虫だ。 愛媛大学が使っている昆虫は、ミルワームというチャイロコメノゴミムシダマシの幼虫。雑食性で繁殖力が強く、アミノ酸や不飽和脂肪酸を多く含み、小さなスペースで簡単に飼育できて環境負荷が低いと、いいことづくめだ。同大学は、ミルワームを自動飼育する装置の開発に乗り出した。協力するのは大日本印刷。「印刷で培った機械設計から大量生産に関する技術や経験」を活かして動物性飼育原料の国産化を目指すとのこと。研究段階から事業化のフェーズに進むことになる。 これから愛媛大学は、ミルワームのための実験室を新設し、そこで育ったミルワームをプロテイン源とする餌で魚がどう育つかを確認する。また、2024年3月にはミルワームの自動飼育装置を開発し、ラボ規模の施設を建設する予定。将来的には年間100トンのミルワーム粉末を生産できるミルワーム飼育工場を建設するとのことだ。

 

養殖の魚も「昆虫食」、愛媛大らが昆虫飼育工場を建設へ

https://forbesjapan.com/articles/detail/65344?read_more=1

住友商事の昆虫由来代替タンパク質の取り組み

住友商事様も昆虫由来タンパク質への取り組みをされています。
マレーシアのスタートアップと提携されたようです。
プレスリリースには「同タンパク源市場は、2020年時点の175億円から2030年には3,500億円へと飛躍的に成長するとの予測もあります。」と記載もあるので、今後は同様の取り組みが広がると思います。
こちらはアメリカミズアブの幼虫を輸入するようです。

昆虫由来代替タンパク質製造企業・Nutrition Technologiesへの出資参画について

住友商事は、マレーシアで昆虫由来の代替タンパク質などを製造するスタートアップ企業、Nutrition Technologies(ニュートリション・テクノロジーズ、以下「NT」)に出資しました。今後、NTと協業して同社製品の市場開拓を進めるとともに高付加価値製品の開発を進め、世界の安定的・持続的な食料生産に貢献していきます。

世界的な人口増加と食の西洋化に伴い、タンパク質の需要は2050年には2005年比で約2倍となると予測されており、世界的なタンパク質不足が懸念されています。大量の穀物、土地、資源が必要となる既存の畜産・漁業・農業から得られる動物性・植物性タンパク源のみでは、世界全人口への供給には限界があり、より環境負荷の低いタンパク源が求められています。こうした中で注目されているのが、昆虫由来代替タンパク源です。現在、主な用途は、ペットフードや畜水産用飼料などの動物用ですが、将来的には人間用にも加工、使用されることが期待されており、同タンパク源市場は、2020年時点の175億円から2030年には3,500億円へと飛躍的に成長するとの予測もあります。

NTは食料問題を強く懸念した元国連職員により2015年に設立されました。シンガポールに本社を置き、2020年からマレーシアでアジア最大規模のBlack Soldier Fly(アメリカミズアブ、以下「BSF」)を養殖・加工する、アジア最大規模の昆虫由来代替タンパクの工場を運営しています。昆虫由来のタンパク源としては、コオロギやバッタなどが候補となる中、BSFは、繁殖の容易さ、豊富なタンパク質量、病原菌の媒介リスクの低さが特徴で、FAO(国際連合食糧農業機関)からも大きく期待を寄せられています。NTは、近隣の工場やプランテーションから出る食品残さ・副産物を飼料としてBSFを養殖し、幼虫を脱水・乾燥させ、高品質なタンパク質に加工する独自のノウハウを有しています。第一工場のあるマレーシアは、年間を通じて温暖なためBSFの生育において暖房を必要とせず、より環境負荷の低いタンパク製造を行っています。

本事業を推進するアニマルヘルスサイエンス部では、ペット・畜産向け動物薬などの事業を展開しており、既存事業の知見やネットワークを生かし、昆虫由来タンパク質を用いた飼料の開発・販売を行います。また、加工過程で生成される油やフラス(※)を利用した化粧品や医薬部外品、化学品、有機肥料などの高付加価値製品の開発にも取り組んでいきます。循環型経済を通じてサステナブルに自給自足する世界を創造することをビジョンに掲げるNTを戦略パートナーとして、限りある資源の有効活用、循環型社会の形成に取り組み、地球環境との共生を目指します。

フラス:昆虫のふんや殻くずなどが混ざったもの。

昆虫由来代替タンパク質製造企業・Nutrition Technologiesへの出資参画について

https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/news/topics/2022/group/20221004